展覧会情報

第36回 矢萩喜従郎展

1989年02月06日(月)~02月25日(土)

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宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」は、何回となく彼の手によって加筆され、未完のまま終わってしまった。宇宙の小さなささやきまでも知ろうとして、もがいていく姿に私は感動した。限りなく思考を繰り返した彼の生きざまを思うと、それは連続しつづける動態としてとらえられ、いわば現象としての存在そのものだったということができるであろう。不思議な謎に挑もうとする精神は、文学の世界だけに必要とされるものではない。私達の世界にもいつも存在しつづけるべきなのだ。 (矢萩喜従郎)