展覧会情報
第98回 オランダのグラフィックデザイン100年
1994年06月06日(月)~06月27日(月)
オランダのグラフィックデザインの100年をたどる本展は、世界巡回展の日本展である。会場の都合で縮小されたが、それだけにむしろ密度の濃い展示をお見せできた。デザインをはっきり意識して印刷された1890年から現在までの様々な印刷物である。外国の影響も多く受けたが、オランダのグラフィックデザインの特徴は、造形芸術、建築、産業美術がほぼ同等の位置にあったことである。それとともに文化やデザインに理解をしめす、企業の幹部がいて、理想的な環境を育んでいたことである。グラフィックデザインがひとつの専門分野となったのは、第二次世界大戦後のことであるが、純粋なタイポグラフィー、文字とイメージの組み合わせが、基本的にオランダのデザイン100年を通して見られる特徴だといえる。 サブリナ・カムストラ