展覧会情報
第104回 ブルーノ・ムナーリ展
1995年01月12日(木)~01月31日(火)
展覧会の主旨は、数多くの日本の表意文字(漢字)の中の一つに関して、今年私が行った研究結果をお見せすることにあります。それは、漢字の視覚的コミュニケーションの可能性を探るというものです。研究対象に選んだ漢字は「木」です。木という漢字は通常は、黒い文字で、断定的かつ画一的に書かれています。しかし、表意文字の目的は、言葉の意味を伝えることにあるわけですから、私は表意文字に素材感、つまりさまざまな「テクスチャー」を与えようと試みました。そうすることによって、その字は一般的なものではなくなり、特定なものになります。つまり、どれでもいい「木」ではなくなり、特定な木になります。このように練られた像は、例えば視覚的俳句として、詩的言語の中で用いることができるでしょう。さらなる研究を続けて参ります。 ブルーノ・ムナーリ