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展覧会情報

第8回 ジェームズ・ローゼンクイスト展

1997年03月01日(土)~06月15日(日)

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ジェームズ・ローゼンクイストは1960年代初頭、現代消費社会の中にあらわれるイメージをビルボード(看板絵)の手法で大画面に描いた作品によって、ポップ・アートの旗手のひとりとしてデビューしました。以来、アメリカ現代美術を代表する作家のひとりとして制作活動を続け、色彩に包み込まれるような感覚を観る者にもたらす巨大な画面が特徴の絵画作品を作りだしてきました。
ローゼンクイストは早い時期から版画制作にも着手し、現代版画史上に残る作品を生みだしてきましたが、いっぽう技術的な制約から、彼の絵画のような大画面を達成することが困難であったこともまた事実です。しかし1988年から始まったタイラーグラフィックスとの共同制作で完成した「水の惑星にようこそ」シリーズは、着色した紙パルプを巨大な手漉き紙の上に吹き付けるという手法により、従来の版画作品にはなかった大画面と発色を実現させ、版画制作そのものをより高度な水準へと引き上げることとなりました。
本展はこの「水の惑星にようこそ」シリーズ9点を中心にローゼンクイストの版画の近作22点を展示し、彼の版画作品の展開と、版画制作の新たな地平への過程を検証しました。

記念シンポジウム「マルチメディア時代のアーティストと権利」

第1部【基調講演】
講師:ジェームズ・ローゼンクイスト(アーティスト)

第2部【パネル・ディスカッション】
パネリスト:ジェームズ・ローゼンクイスト、南條史生(美術評論家)、森司(水戸芸術館現代美術センター学芸員)、吉田正夫(弁護士)、三枝俊文(大日本印刷)

1997年4月25日
主催:朝日新聞社、CCGA
会場:有楽町朝日ホール