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第9回 版画における抽象:タイラーグラフィックス・アーカイヴコレクション展 Vol.3

1997年06月21日(土)~09月28日(日)

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今日のアメリカ版画の隆盛は1960年代のプリント・リバイバル以降のものであり、再現的なイメージをもちいるポップアートが原動力となって推進されてきました。しかし、アメリカ現代版画が成熟期を迎えた70年代以降は、多数の抽象画家たちも版画制作を手がけるようになり、版画における抽象が飛躍的に進展しました。技法や素材の発展によって、アーティストにとって版画は単に既成のイメージを再現するだけでなく、多様な技法が生み出す変化に富んだテクスチャーや色彩を通じて、未だ見ぬイメージを追及する場となったのです。
本展は、こうした現代の抽象版画のひとつの到達点を示すとともに、さらなる可能性を明らかにするために企画しました。展覧会には、CCGA所蔵のタイラーグラフィックス・アーカイブコレクションから、ヘレン・フランケンサーラー、テレンス・ラ・ヌー、スティーヴン・ソーマン、フランク・ステラという今日の抽象版画を代表する4人のアーティストの計36点を出品。伝統的な木版やリトグラフによるものから、複雑なミクスト・メディアまで多岐にわたる技法の作品群が、版画というメディアとアーティストのみずみずしい感性の出会いと果敢な実験精神を示す内容となりました。

出品作家

ヘレン・フランケンサーラー
テレンス・ラ・ヌー
スティーヴン・ソーマン
フランク・ステラ