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第17回 「版画の話」展

1999年09月11日(土)~12月19日(日)

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複雑かつ高度化した技法の存在が壁となって、一般的には必ずしも十分に理解されていると言い難い現代版画。本展は、この現代版画の世界をより多くの人が身近なものにするための展覧会として企画しました。展覧会では、従来、技法解説に終始しがちだった版画解説とは異なり、「うつす」「かえる」「あつめる」「くりかえす」という日常生活に関係した4つのキーワードを設定。あえて技法の話題はさけて、版画の特性をできるだけ抽象的・概念的にとらえる内容としました。これは、技法の偏重がかえって本質的な理解を妨げることもありうるという考えに基づいており、本展では、技法からではない別の版画の見方を鑑賞者に提案することを意図しました。
会場をそれぞれのキーワードごとに4つのセクションに分け、各セクションに、CCGA所蔵のタイラーグラフィックス・アーカイブコレクションからキーワードに沿って選定した作品計40点を出品しました。また展覧会カタログから抄出した解説テキストを各セクションの冒頭に配し、鑑賞者がひとつのストーリーに沿って、美学的な観点から見た版画の特徴や、それが現実の社会生活にもどのようにつながっているかを理解できるような構成としました。