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第25回 「空間に躍りでた版画たち:タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション展Vol.9」

2002年03月01日(金)~06月02日(日)

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版画概念の拡張を体現するものの一つに、立体マルチプルがあります。これは木や金属、プラスチック、紙などを用いた彫刻作品でありながら、同一のものが複数作られるという点で版画的性質ももち、制作過程で用いられる鋳型などを一種の版と見なせば、「版」の概念を拡張したものと考えることができます。ほかにも手漉き紙によるレリーフ彫刻など、立体的なマルチプル作品は1960年代以降、盛んに制作されるようになりました。
マスター・プリンター、ケネス・タイラーはこの動向の中心を担ってきた人物の一人です。彼は自ら設立した二つの版画工房、ジェミナイG.E.Lとタイラーグラフィックスにおいて、多数のアーティストとのコラボレーションを通して、立体マルチプルや紙の彫刻作品の制作に数多く携わり、革新的な作品を生み出してきました。
本展では、CCGA所蔵のタイラーグラフィックス・アーカイブコレクションから、アンソニー・カロ、ロイ・リキテンスタイン、フランク・ステラなどの現代美術を代表する作家たちが、タイラーと共同制作した立体マルチプル作品を展示し、壁面から空間へと躍りだした新たな形式の「版画」の魅力を紹介しました。

出品作家

アンソニー・カロ(1924-)
ヘレン・フランケンサーラー(1928-)
デイヴィッド・ホックニー(1937-)
ロイ・リキテンスタイン(1923-1997)
アラン・シールズ(1944-2005)
リチャード・スミス(1931-)
スティ-ヴン・ソーマン(1948-)
フランク・ステラ(1936-)