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第29回 色彩としての紙:タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション展Vol.10

2003年04月19日(土)~06月22日(日)

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版画工房タイラーグラフィックスの作品にしばしば用いられている技法に、「カラード・プレスト・ペーパー・パルプ(着色パルプ圧縮法)」というものがあります。この技法は、水に溶いて着色した紙パルプを絵の具で描くように重ねていきながらイメージを作り出し、最後にプレス機に通して1枚の手漉き紙を形成する手法を指します。
1960年代のアメリカでは、版画の概念と同時に、版画素材として手漉き紙が注目されるようになりました。その中でもカラード・プレスト・ペーパー・パルプは、従来の紙にインクで印刷する版画とは異なる新しい表現をもたらすものであり、この掬法に魅せられた作家たちがタイラーグラフィックスの門を叩き、現代美術史上に残る名作を生み出してきました。
本展では、CCGA所蔵のタイラーグラフィックス・アーカイブコレクションから、デイヴィッド・ホックニー、エルズワース・ケリー、ケネス・ノーランド、ジェームズ・ローゼンクイストなどの作家たちが、カラード・プレスト・ペーパー・パルプを用いて制作した作品を展示し、手漉き紙特有の質感と、柔らかな響きを感じさせるその色彩の魅力を紹介しました。

出品作家

デイヴィッド・ホックニー(1937-)
エルズワース・ケリー(1923-)
ケネス・ノーランド(1929-2010)
ヒュー・オドネル(1950-)
ジェームズ・ローセンクイスト(1933-)
ロバート・ラーウェイ・ザカニッチ(1935-)