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第30回 ヘレン・フランケンサーラー木版画展

2003年06月28日(土)~09月05日(金)

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ヘレン・フランケンサーラーは1950年代、にじみ止めを施さないカンヴァスに薄く溶いた絵の具を染み込ませる、ステイニングという技法を用いた抽象絵画によって注目を集めました。彼女の作品は、抽象表現主義からカラーフィールド・ペインティングヘの移行期に大きな役割を演じ、その豊かな色彩と創造性溢れる絵画空間は、抽象絵画の最良の実践として国際的に高く評価されてきました。
またフランケンサーラーは、1961年にULAEで初めて版画を制作して以来、タイラーグラフィックス、ガーナー・テユリスなどさまざまな工房を舞台に版画制作にも情熱を傾け、多くの名作を生み出してきました。彼女が手がけた版画技法はあらゆる種類に及びますが、とりわけ1973年に制作を開始した木版画は、その全版画作品の中でも重要な位置を占め、彼女が成し遂げてきた、この撫法の限界を押し広げるような大胆な革新は、20世紀における木版画の再生をもたらしました。
本展はフロリダのネイプルズ美術館とアメリカ版画批評の第一人者ジュディス・ゴールドマンの企画で実現した、フランケンサーラーの木版画の初回顧展であり、全米各地、および日本ではCCGAを巡回しました。