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第40回 野田哲也:日記

2006年09月30日(土)~12月24日(日)

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野田哲也は1960年代に作家として活動を開始し、写真を使ったシルクスクリーンと木版で自分自身の日常の断片を版画化したライフワーク、「日記」シリーズによって、その名を不動のものとしました。家族や知人の肖像、自画像にはじまり、静物や風景へと題材を広げながらも、一貫して日常生活のシーンを記録した「日記」シリーズは、きわめて私的な主題が描かれながら、その画面は普遍性を備え、不思議な魅力をたたえています。 いっぽう、写真製版によるシルクスクリーンという機械的なメディアを用いながら、製版の段階で鉛筆や筆のタッチを加え、さらに伝統的な水性木版の技法を組み合わせることによって得られた表現性により、作品に豊かな奥行きが与えられている点も特徴です。「日記」シリーズは1968年の東京国際版画ビエンナーレでの国際大賞受賞をはじめとして、世界的に高い評価を受け、日本の現代版画史を語るうえで欠かせない存在となっています。 本展は、1968年の第一作目から現在までの「日記」シリーズのうち主要な版画と立体マルチプルなど、合わせて70点によって野田哲也の足跡を辿り、彼の作品世界の魅力を紹介しました。

アーティスト・トーク

出演:野田哲也
2006年9月30日