展覧会アーカイブ

展覧会情報

第67回 ロバート・マザウェルのリトグラフ:タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション展Vol.28

2015年09月19日(土)~12月23日(水)

  • シェア
  • ツイート
  • URLコピー
1940年代後半から世界を席巻し、ニューヨークを戦後のアートシーンの中心地に押し上げることとなった抽象表現主義。ロバート・マザウェル(1915-1991)は作家としてのみならず、ヨーロッパ留学や美術史研究の経験を通して抽象表現主義の理論的支柱としても活躍し、その進展に寄与しました。
 マザウェルはまた、版画制作に情熱を傾けた作家としても知られています。抽象表現主義作家たちの多くはサイズの制約や複雑なプロセスにより、彼らの好む大画面や直観的な制作を実現することが困難な版画に対してあまり関心を持ちませんでしたが、そうした中にあってマザウェルはこのメディアに表現の可能性を見出し、版画制作を本格化させた1960年代から亡くなるまでの間に約450点もの作品を作り出しました。
 数ある版画技法の中でマザウェルがとくに多用したのがリトグラフです。自己の内面に瞬間的に喚起されたような形態を大胆な筆致で描いた画面が特徴であり、いっぽうでコラージュを重要な表現言語の一つとして重用していたマザウェルにとって、絵筆で自由に描いたのと同じイメージが得られ、また写真製版によりコラージュをそのまま版画に写し取ることのできるリトグラフはうってつけだったといえます。石版石に対峙した瞬間の思考・感情・身体の動きを永続する画面に封じ込めたようなマザウェルのリトグラフ作品は、高い精神性を示すものとして私たちを惹きつけてやみません。
 本展はロバート・マザウェルの生誕100年を記念し、彼が1970年代後半から最晩年まで版画制作の主な舞台としたタイラーグラフィックス工房で生み出した作品を、リトグラフを中心に紹介します。マザウェルのさまざまな試みの集大成として高い完成度を示す版画を通して、彼の作品世界の魅力に触れる機会となれば幸いです。

会場

CCGA現代グラフィックアートセンター
〒962-0711 福島県須賀川市塩田字宮田1
Tel. 0248-79-4811 Fax. 0248-79-4816

開館時間

午前10時―午後5時(入館は午後4時45分まで)

休館日

月曜日(祝日に当たる場合を除く)、祝日の翌日
会期前9月14日(月)―18日(金)は展示替え休館、会期後12月24日(木)―2016年2月29日(月)は冬期休館となります。

入館料

一般300円/学生200円/小学生以下と65才以上、および障がい者手帳をお持ちの方は無料