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展覧会情報

ギンザ・グラフィック・ギャラリー第356回企画展 榎本了壱コーカイ記

2016年11月11日(金)~12月24日(土)

Design:Ryoichi ENOMOTO + Emi HIRUTA
Design:Ryoichi ENOMOTO + Emi HIRUTA
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今秋、ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)では、時代の気配を鋭く捉え、アート、デザイン、演劇、雑誌編集、公募展企画など、さまざまなジャンルの文化の海を横断的に「コーカイ」してきたクリエイティブ・ディレクター、プロデューサー、デザイナーである、榎本了壱の多面的な活動をご紹介します。
澁澤龍彦の遺作『高丘親王航海記』に啓示を受け誕生した、渾身のカリグラフィと大規模な絵画作品をはじめ、誰もが参加できるコンテンツの先駆けとなったサブカルチャー誌「ビックリハウス」、既成概念を突き破る、新しいクリエイターの発掘を試みた「日本グラフィック展」など、70年代80年代のカルチャー・シーンに多大なる影響を与えてきた仕事の数々、寺山修司と天井棧敷の活動、勅使川原三郎のダンスポスター他、グラフィックデザイナーとしての仕事、そして、榎本氏の脳内を垣間見る、膨大な量のアイディア・ノート『脳業手技』等々・・・ぎっしり詰まったエノモト・ワールドを放出します。
 

会場

〒104-0061
東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
TEL:03-3571-5206/FAX:03-3289-1389
11:00am-7:00pm
日曜・祝日休館/入場料無料

ギャラリートーク

ギャラリートーク1 1112日(土)16:3018:00
[天井桟敷/ビックリハウスの時代] 出演=萩原朔美+榎本了壱
※10月28日(金)11:00より予約受付開始。お申し込みはこちら


ギャラリートーク2 122日(金)18:3020:00
[日本グラフィック展の時代]出演=浅葉克己+日比野克彦+榎本了壱
※11月13日(日)11:00より予約受付開始。お申し込みはこちら


ギャラリーツアー
榎本了壱による作品解説ガイド 毎週土曜日14:00-15:00
お申し込みは必要ありません。ぜひご参加ください。

 

企画展案内

12歳の時、小学校の卒業文集の表紙コンペで私の作品が選ばれた。これが、私がデザインの海に漕ぎ出る発端だろうか。16歳の時、二科展商業美術部門に入選した。「たむとん号の旅」という架空の船の冒険童話のポスターだった。いよいよデザインの海に漕ぎ出さねばと、憧れの粟津潔先生のいるムサビに入った。大学生になって上梓した詩集「粘液質王国」に、「七千夜の航海」という詩がある。私は生きていることが航海だと思っていた。最近、以前に読んでいた澁澤龍彦さんの「高丘親王航海記」を3年もかかって書写した。「航海記」から再び一つの啓示を与えられた。長くアドヴァタイジングで沸騰していたグラフィックデザインの海は、海底火山に煽られるように熱かった。けれども私には、60年代、70年代の、デザインの新鉱脈探しに奮闘した「実験の時代」のデザインの海の方が、さらに熱く感じる。見れば今のデザインの海は、星座を読むロマンティストより、海図が読めるタフな船乗りじゃないと航海が難しい、私にとっては荒れ模様の波浪注意報。そんな海へ冒険に出る、若きチャレンジャー達にエールを送るためにも、我がカイコ的「コーカイ記」を、早急に展じなければならないだろう。(榎本了壱)

プロフィール

榎本了壱(えのもと・りょういち)
1947年東京生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。クリエイティブ・ディレクター、プロデューサー。株式会社アタマトテ・インターナショナル代表。日本文化デザインフォーラム理事・副代表幹事。京都造形芸術大学客員教授。大正大学地域構想研究所特命教授。著書『アートウイルス』『アーバナートメモリアル』『榎本了壱のアイディアノート・脳業手技』『東京モンスターランド』ほか。68年より「天井棧敷」にかかわる。74年、月刊『ビックリハウス』を萩原朔美と創刊。以降、編集、出版、文化イベント、TV番組制作等の仕事を展開。80年より『日本グラフィック展』『オブジェTOKYO展』『URBANART』を99年までプロデュース。89年『世界デザイン博』住友館総合プロデュース。『横浜博』広報アートディレクション。『カウパレードTOKYO 2003』プロデュース。2020TOKYOオリンピック・パラリンピックエンブレム委員。

お問合せ

ギンザ・グラフィック・ギャラリー担当:柳本 tel.03-3571-5206